リップロールの効果とやり方を徹底解説!

リップロール(りっぷろーる)とは、唇を軽く閉じた状態で小刻みに震わせながら、発声するトレーニングのことです。

固まった表情筋をほぐしたり、吐く息の量を均一にし呼吸筋を強化したりする目的があります。

プロのミュージシャンや、ボイトレ教室もウォーミングアップに取り入れている方法です。

この記事では、リップロールのやり方・効果、デメリットについて詳しく解説します。

リップロールの練習のやり方

まずは、リップロールのやり方を3ステップでお伝えします。

  1. まずは、体全体をリラックスさせます。
  2. 唇は軽く閉じた状態で、前に突き出すように(アヒルの口のように)とがらせます。
  3. 唇の小さなすき間から唇を震わせ「プッ」と出した後、そのまま「ウー」という音につなげていきます。

基本のリップロールができたら他の発声練習と同じく、リップロールのまま音程を上下させてトレーニングします。

リップロールは家でも練習できる

リップロールは唇を閉じたまま発声する練習法なので、あまり大きな音を出さずして発声練習ができるメリットがあります。

実際にリップロールした状態から「あー」の発声に切り替えると、意外に大きな音量が出るのがお分かりいただけるかと思います。

この音量を唇でミュートしていることになるので、家でも気軽にボイトレできて近所迷惑にもなりません。

リップロールで期待できる7つの効果

では、リップロールにはどんな効果やメリットがあるのかについて見ていきましょう。

歌う前のウォーミングアップができる

口の周りの凝り固まった筋肉をほぐし、口を動かしやすい状態にします。

同時に声帯周りの血流をよくするので、声帯のストレッチにも効果が期待できます。

口の周りの表情筋を作る

顔の周りには発声器官(表情筋)がありますが、普段あまり笑わなかったり人と話す機会が少ないと、表情筋は衰える一方です。

リップロールで表情筋が発達し口の動きがよくなると、声がはっきり出るようになるメリットがあります。

唇の動きを良くする

リップロールによって唇の使い方をつかめ、動きが良くなります。

歌の中で唇の動きを大きくすると、それだけで母音がはっきり聞こえるようになるので特に母音を重視する日本語の曲には効果的です。

唇の動きがよくなると、滑舌改善にも効果が期待できます。

腹式呼吸の練習ができる

腹式呼吸とは、横隔膜を意識的に動かして呼気をコントロールする呼吸法です。

現代人は呼吸が浅い傾向にあり、横隔膜の動きが鈍くなっているといわれています。

リップロールには以下の動作が含まれます。

  1. 唇の振動を止めないよう息を均一に吐く
  2. 唇を細めて空気の出口を小さくする

これらの動作によりお腹周りの呼気圧を意識できるので、結果的に横隔膜(呼吸筋)が鍛えられ、腹式呼吸を使っての発声が楽になるのです。

低音から高音までスムーズにつながる

低音から高音までスムーズにつなげるためには、力を抜いた状態で一定の呼気圧をキープする必要があります。

高音になると声が裏返る人は、喉に力を入れて発声している可能性も。本来ならば、高音になるほど力を抜いて発声しなければなりません。

リップロールでは力を抜いて自然に声帯を振動させつつ、一定の呼気圧をキープできるので低音から高音まで声の響きが安定し、スムーズにつながります。

声質・声量が安定する

声質にムラが出る原因の一つに、呼吸が安定していないことがあげられます。

リップロールをしている間は呼気が一定量でキープされているため、低音でも高音でも同じ響きで発声できると同時に、声量を一定にコントロールできます。

すなわち、リップロールでトレーニングすると呼吸が安定し、声質と声量が安定するのです。

音程が安定する

音程は声帯の収縮によりコントロールするもの。

リップロールには声帯の開閉をスムーズにする効果があり、声帯で音程を取るトレーニングにもなります。

また、唇を閉じていることで音が口の外ではなく中で響くため、耳で聴き取りやすく音程が取りやすいメリットもあります。

リップロールのデメリット

リップロールにより得られる効果はたくさんあるとお話ししましたが、やりすぎや、発声練習をリップロールだけに頼るのはおすすめできません。

以下、リップロールで考えられるデメリットも見ていきましょう。

リップロールだけではバランスが悪くなる

ボイトレはいくつかの方法をバランスよく取り入れてこそ効果を発揮するものです。

リップロールの他、ハミングや声を出してやる発声練習も取り入れて練習するのをおすすめします。

以下、リップロールにはどんなデメリットがあるのかを見てみましょう。

声質が弱くなる可能性がある

リップロールばかりをやりすぎると、声帯が自然に緩む状態に慣れてしまい、実際に声を出した時に弱々しい声になってしまう可能性があります。

リップロールでつかんだ声帯をコントロールする感覚は、実際の歌の中で使えるように練習していきましょう。

唇を閉じていないと息が漏れる

リップロールでは唇から空気が漏れるのを、口を閉じることで補助しています。

こればかりに慣れてしまうと、閉じていない状態では息が漏れやすくなる可能性があります。

いずれの場合でも大切なのは、以下の点です。

  1. 他のトレーニングと組み合わせてバランスよく行う
  2. リップロールでつかんだ感覚を実際の歌の中で使えるようにする

リップロールはこんな悩みを持つ人におすすめ

これまでご紹介したリップロールの効果を踏まえ、どんな悩みを持つ方におすすめできるのかをまとめました。

高音を出す時に力んで張り上げてしまう

高音を出す時は力んで張り上げると出るように感じますが、それでは逆に高音がでなくなります。

リップロールにはのど周りの余計な力みをとる効果があるため、喉を締め付けない自然な高音を出す練習ができます。

歌っているとすぐに声が枯れる

歌の途中で喉が枯れてしまうのは、力んで喉歌いになってしまっている場合がほとんどです。

リップロールの効果として、脱力して発声ができ、かつ腹式呼吸の感覚がつかめるとお話ししました。

力を抜いて腹式呼吸で歌えるようになると喉歌いが解消され、長時間カラオケで歌い続けても声が枯れにくくなります。

オガミ
乾燥も声枯れの大敵なので、適度に水分を取りましょう♪

歌の最後まで息が続かない

歌の最後まで息が持たないという人は、息を使いすぎている可能性があります。

リップロールで一定量の息をキープする感覚をつかみ、歌の中でも適量の息をキープできるようになれば、息が続きやすくなります。

同時に、歌の中でブレス(息継ぎ)の位置をあらかじめ決めておくと息切れを起こしにくいです。その際に腹式呼吸が身に付いていれば、多くの息を取り込めるので、効果的にブレスができます。

リップロールでは横隔膜が鍛えられ腹式呼吸の感覚もつかめるため、息が続かない方におすすめです。

ロングトーンで声が震える

ロングトーンを出している時に、息の量が不安定だと声が震えたり、途中で息が切れたりします。

リップロールは一定量の息を安定して出さなければ、唇の振動が止まってしまいます。

リップロールをしながら息をまっすぐ前に出すイメージで、ロングトーンの練習をすると効果的です。

声の音量にムラがある

リップロールは自然に声帯を振動させつつ、一定の呼気圧をキープできるので、低音から高音まで自然につながる感覚が身につきます。その感覚を歌に落とし込めるようになれば、どの音域でも自然な声量で歌えるようになります。

まとめ

リップロールはたくさんの効果が期待できるトレーニング方法です。しかし、リップロールばかりをやり続けていても歌は上達しません。ハミングや口を開いてやる通常の発声練習も取り入れて、バランス良くトレーニングするのがおすすめです。

そしてリップロールでつかんだ声帯の感覚や、息のキープのしかた、自然に脱力して発声する感覚を歌に生かせるよう練習してみてくださいね。

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