しゃくりとは、低い音程から持ち上げて本来の音程に戻す歌唱技術の1つです。
滑らかに音を繋ぐことができ、より一層表現力を豊かにできます。
しかし、多用しているとかえって曲の雰囲気を損ねてしまうこともあります。
そこで、この記事ではしゃくりについて紹介します。
Contents
しゃくりを身につけるとどうなる?
しゃくりを身につけると、自身の歌唱力を伸ばせることがあります。
しゃくりを入れると、抑揚をうまく使い分けられ、深みのある歌い方が可能です。
そのため、息の使い方や安定した発声を手に入れられるようになります。

ブレスをコントロールできるようになる
しゃくりはアクセントを生み出すテクニックです。
そのため、歌の中で盛り上げたいところ、落ち着いて歌いたいところなど曲のメリハリを気にするようになります。
すると、当然歌にも抑揚の意識が身につくので、自然とブレスコントロールが上達していきます。
もちろん、息の調節ができていないのであればうまくはなりません。
そのような方は、まず適切な息の使い方を学びましょう。
安定したロングトーンが身につく
音と音をつなげる意識が身につくと、安定した歌い方を手に入れることができます。
そのため、フレーズ1つに対しての息の使い方やコントロールが巧みになります。
無理せず発声する感覚が自然と身についていき、ブレスコントロールが上達していくことで、次第に安定したロングトーンも得られるようになります。
喉・声帯を痛めない歌い方につながる
しゃくりは高音を出す場合でも、少し低い音程から発声します。
正しい発声方法が完璧に身についていれば問題ありませんが、高音になるとどうしても無理な発声をしてしまう方が多いはず。
そこで、しゃくりを使用して少し楽に高音を出す技術としても用いられます。
ただし、癖になってしまうと無意識にしゃくりを入れてしまう癖ができてしまうので注意しましょう。
しゃくりを使用するメリット3つ
しゃくりを入れて歌うメリットを3つ紹介します。
しゃくりを入れると、曲の表現力を高めたり声帯の負担軽減、カラオケの採点加点などにつながります。
曲の表現力を高める
しゃくりを入れるとそのフレーズを強調させることができます。
すると、曲のアクセントにつながり、抑揚を生み出せます。
強調したいフレーズに取り入れることで、情緒ある表現力豊かな歌い方ができるようになります。
声帯の負担を抑える
高音に直接アプローチしないことで無理のない発声を心掛けることができ、声帯を痛める危険性が少し低くなります。
高音の歌い方をマスターしていないうちは、負担の軽減に使用することもなくはないでしょう。
また、逆に喉が疲れているときに歌うと、無意識に高音にアプローチせず、しゃくりを入れてしまうこともあります。
もちろん、全く良いことではありませんので喉が疲れたら適宜求刑させるようにしてください。

カラオケで加点を狙える
しゃくりはカラオケでビブラート、こぶし、フォールと一緒に加点要素に含まれます。
しかし、多用すするその分加点されるわけではなく、適度な回数を盛り込むことで加点対象になります。1曲あたり10~20回程度に収めることが望ましいとされていますので、しゃくりを狙って出せる方は試してみるとよいでしょう。
しゃくりを出すコツ
それでは、しゃくりを入れるためにはどんなことに気を付けるべきか。
うまくしゃくりをと入れるためのコツをいくつか紹介します。
無意識にやってしまう方も多いくらいなので、それほど難しい歌唱技術ではありません。
コツさえつかめば、すぐにしゃくりを出すことができるでしょう。
参考動画
音をつなげて歌う意識を持つ
しゃくりを入れるには、音と音を繋げて滑らかに歌う意識を持ちましょう。
低い音程から高い音程になるとき、切り替えるのではなく音を切らずに持ち上げるイメージです。
最初は無理のない音程の曲で練習してみましょう。
繰り返し練習して音程をゆっくり持ち上げて、しゃくりの感覚を覚えさせてください。
母音を意識する
母音を意識することで、しゃくりを使用しやすくなります。
音を切らずに滑らかにするための方法の1つで、子音の場合でも母音を意識するとよいです。
例えば、「か」という音でも「か、あ」の2つに切り分けることができます。
2つの音に分けて発声することで伸びた歌いた方が可能になり、なめらかな発声が期待できます。
喉をリラックスさせる
声帯をリラックスさせた状態でないとしゃくりを使用することはできません。
そもそも余計な力が入っていると正しい発声もうまくできません。
歌う前には身体や喉のストレッチを行って、準備運動を怠らないようにしましょう。
しゃくりを使用する際の注意点
しゃくりは比較的簡単な歌唱技術で、上手く使えば歌がうまく聞こえる非常に便利ですが、間違った使い方や乱用はかえって音痴にとらえられてしまうこともあります。
中には無意識に使用している方もいますが、大変よくありません。
そこで、しゃくりを使用する際の注意点をいくつか紹介します。
しゃくりを使うタイミングが大切
しゃくりを入れることで、アクセントや強調を生み出すことができます。
そのため、曲に起伏ができ、表現力を豊かにさせてくれます。
ただし、使いどころを誤れば曲の雰囲気を損ねる危険性もあります。
一般的にしゃくりを使用するとよいとされるタイミングはフレーズの最初か最後です。
もちろん、フレーズ最中で入れることもありますが、メロディを強調したいのであれば、フレーズの端に盛り込む方が、フレーズ全体を際立たせてくれます。
また、低い音程から高い音程に切り替わるタイミングも良く使用されます。
使いどころを誤ればただの音痴と言われかねないので、タイミングをきちんと図りましょう。
多用は禁物
曲に起伏をつけることができるしゃくり。
あまりに多用すると起伏が生まれすぎてしまい、かえって強調できませんよね。
あくまでもしゃくりは添えるようなイメージで扱わなければ、くどく感じてしまいます。
また、しゃくりは本来の音程よりも低い音程から入るので、裏を返せば音を外しているともとれます。
したがって、多用しすぎると音痴と言われてしまうこともあります。
無意識のしゃくりは悪い癖かも
練習せずともビブラートやミックスボイスができてしまう方もいます。
もちろんしゃくりも同様にしゃくりと知らずにできている方もいると思います。
しかし、他の歌唱技術と違い、無意識にしゃくりを入れていることはよくありません。
むしろ、悪い癖だと思ってください。
無意識にしゃくりが入っているのは正しい音程を取れていないことが原因の1つに考えられます。
詳しくは他記事で紹介しますので、無意識にしゃくりを使用してしまっている方はぜひそちらをご覧ください。
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まとめ
しゃくりは低い音程から持ち上げて本来の音程に戻す歌唱技術の1つです。
しゃくりを効果的に取り入れることで、フレーズのアクセントを生み出すことができ、寄り曲の表現力を高めてくれます。
とはいえ、裏を返せば音程をわざと外すテクニックなので、使い方を誤れば音程が取れていないという認識をされる恐れがあります。
また、無意識にしゃくりを使用している方も多くいますが、一度矯正する必要があります。
しゃくりは比較的簡単な歌唱技術ですが、使うタイミングや頻度は難しいでしょう。