音域を広げるには?コツや練習方法をご紹介

歌える音域を広げてもっと多くの曲を歌いこなせるようになりたいという方はたくさんいると思います。

音域が広がると、今までより高音や低音を出せるようになり、レパートリーを増やすことができます。

また、余裕を持った歌声が手に入り、楽に気持ちよく聴かせられます。

ボイストレーニングをする多くの方の目標は、この「音域を広げる」に当てはまると思います。

しかし、歌の練習をただひたすらこなしているだけでは、音域が広がることはあまり考えられません。

例えば、高音を無理なくきれいに出したいと思ったとき、音域を広げる練習が必要です。

この記事では、音域を広げる練習方法やコツをご紹介します。

音域を広げて歌える曲の幅を広げたい

音域とは

音域とは、それぞれが発声できる音の高さの範囲のことです。

一般的に、男性は高音を出しづらく、女性は低音を出しづらく、苦手な音域が存在します。

そのため、自分の音域に適している曲を歌うことで、よりパフォーマンスが高くすることができます。

もちろん、プロのアーティストも自分の音域を理解し、そこに合わせて作曲をしています。

とはいえ、音域は練習をすることで広げることが可能です。

音域が広がってデメリットになることはまずありません。

YU
音域を広げることはできますが、あくまでも自分の得意な音域はありますので、それも理解しておきましょう!

歌える曲の幅が広がる

自分の声帯も楽器のようなものです。

成長期に声変わりをすることで、ある程度の自分の音域が成形されます。

そのため、どれだけトレーニングを積んでも苦手な音域や出せない音域は存在します。

しかし、音域を広げるトレーニングを行うことで、今まで歌えなかった曲を自在に歌えるようになります。

男性でも女性キーに近い曲を歌うアーティストもたくさんいると思います。

低音に関しては正直どれだけ練習をしても限界がありますが、高音に関しては努力次第ではいくらでも高音を操ることができるようになります。

広い音域の曲は歌うのが難しい

昔の歌謡曲や1,2世代前のアーティストに比べ、最近のアーティストや楽曲は音程の上下が激しかったり、高音域が広かったりして難易度が高い物が多いです。

そのため、カラオケなどで歌いたいと思っても、なかなか原曲キーで歌うことが厳しいこともあります。

すると、その曲を歌うために、音域を広げなければならなくなります。

ただ、練習次第できちんと発声できるようになりますので、歌えなかったからといって悲観する必要はありません。

音域を広げる練習

音域を広げるためには、トレーニングを積む必要があります。

今は苦手意識がある音域でも、コツや練習を理解することで今まで以上のパフォーマンスを引き出すことができます。

裏声を強化する

高音を出すために重要なことは、裏声を鍛えることです。

地声で高音を出したいんだけど・・・という方も同じこと。

裏声の強化が音域を広げるために重要な要素です。

裏声を鍛えることで声帯が高音に慣れたり、操りやすくなったりします。

さらに、高音を地声に近い力強さで発声できるミックスボイスの習得にもつながります。

そこで、力強い裏声を意識して、地声では出せない音域も練習して出せるようにしましょう。

鼻腔共鳴を身につける

鼻腔共鳴を習得することで、音域を広げることができます。

鼻腔共鳴とは、鼻腔と呼ばれる鼻の奥にある空間に声を響かせる発声です。

この鼻腔共鳴を習得することで、低音から高音までふくよかな奥行きのある厚みがかった声を出せるようになります。

また、音域を広げるだけでなく、かすれ声の防止や喉を締め付けた発声の防止にも効果があります。

また、鼻声とは全く異なるものなので、間違えて発声しないように注意してください。

YU
眉を上げて発声すると、鼻腔のとおりが良くなって発声しやすいと言われています。

適切な呼吸法を身につける

音域を広げるために、適切な呼吸法を学ぶことが重要です。

有名なところを挙げると、腹式呼吸もその1つです。

正しい呼吸法を学ぶことで、喉や声帯に無駄な力を入れないように心がけることができます。

もちろん、喉を傷めない歌い方だけでなく、安定した発声やブレスコントロールなど歌の基本を身につけるために重要な要素です。

腹式呼吸や腹圧呼吸といったものがありますので、ぜひ練習しましょう。

YU
呼吸法についての解説は別記事にありますので、そちらも参考にしてください。
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高音の音域を広げるコツ

それでは、高音の音域を広げるための方法について紹介します。

高音は低音よりも音域を広げやすいです。

適切な練習と長きにわたる練習時間さえ確保できれば、いずれ自由自在に高音を操ることができるようになります。

徹底的な身体のリラックス

高音の発声に大事なのは、喉や体を脱力させることです。

無理して高い声を出そうとすると、余計な力が入って喉を傷めてしまう危険があります。

正しい発声を手に入れることも踏まえて、力みは絶対取るよう心掛けてください。

基礎練習の徹底

リップロール、タングトリル、エッジボイスなど発声練習は毎日継続させてください。

喉にも準備運動は必要です。

できるだけ喉を疲れさせないことを重視してください。

また、上記のような発声練習はリラックス効果だけでなく、歌に必要な筋肉を鍛えてくれます。

声帯閉鎖やブレスのコントロールなどさまざまな歌に関する要素の向上が見込めますので、欠かさず練習を行ってください。

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無理な音域の曲はいきなり歌わない

まずは、いきなり出したい高音を出そうとしないようにしましょう。

出したい高音の1音だけ練習してもそれだけを伸ばすトレーニングはあまり期待できる効果は得られません。

そのため、出したい高音の1フレーズをとおして練習する必要があります。

実は、高音を出せない原因はその音が出ないのではなく、そのフレーズ一連の歌い方に問題がある場合もあります。

例えば、息継ぎのタイミングに問題があったり、音とのつなぎ方に問題があったりとさまざまな理由が考えられます。

とはいえ、いきなり無理して原曲キーのまま歌う必要はありません。

まずは、1つか2つかキーを下げて歌うようにしましょう。

最初は高音が苦しかったフレーズでも、慣れてくると少しずつうまく出せるようになります。

余裕をもって歌えるようになったタイミングで、1つずつキーを戻していき、少しずつ音域を広げる意識を持ちましょう。

ミックスボイスを習得する

ミックスボイスを習得すると、今までの音域から大きく広げることができます。

地声と裏声が混ざり合った発声といわれるミックスボイスを使用すると、今まで裏声でしか発声できなかった音域も地声のように力強い発声ができるようになります。

ボイストレーニングを行う方で、ミックスボイスの習得を目指している割合はかなり多いのではないでしょうか。

実際に、プロのアーティストの多くがミックスボイスを扱い歌っているので、高音を追い求めているといずれは必須になる歌唱技術と言えるでしょう。

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低音の音域を広げるコツ

低音は、高音と違って個人の限界が存在します。

自身の声帯の長さによって低音の音域は左右され、声帯が長い方のほうが声が低くなります。

声帯そのものを弄ることは不可能ですから、低音の音域はどうしても限界があります。

しかし、限界があるといえそのぎりぎりまで鍛えられているかどうかはまた別問題です。

自身の歌唱力自体にまだ伸びしろが残っているのであれば、限界の音域まで伸ばすことが可能です。

持って生まれた限界があると割り切る

前述のとおり、持って生まれた限界までしか低音を出すことはできません。

まずは、理想を追い求めるより、現実を正しく理解することが大切です。

そうして、正しいトレーニングを行うことで自分の目いっぱいの実力を引き出す糧になります。

上体の無駄な力を抜く

低音を出そうとすると、胸のあたりを響かせて発声します。

手を胸に当てて、オペラの歌い方を真似して発声してください。

すると、胸が震えていることが分かると思います。

このとき、余計な力が入っていると胸の響きが十分にわたっていきません。

無駄なく胸を響かせて発生することが低音を出すコツになるので、まずは上半身を中心に脱力する意識を持ってください。

ここではあくまでも意識の問題を伝えていますので、当然、正しい発声を心掛けるには全身の脱力が必要ですので注意してください。

喉に負担をかけない範囲で練習する

無理な練習や過度なオーバーワークは喉や声帯を傷つけてしまうので絶対にやめてください。

音域を広げる練習は、かなり長い時間を要します。

1、2日、1週間程度頑張ったらできるというようなものではありません。

毎日継続した努力でようやく少しずつ実るかどうかというくらい難しいことです。

徹夜でテスト勉強を詰め込んでなんとかした、というような貯金はできませんので、決して焦らないようにしてください。

もちろん、1日練習をさぼってしまったからと言って取り返そうとするのもよくありません。

特に無理して練習したせいで、咳き込んだりむせたりしてしまうと余計喉を傷めるので絶対に無理のない範囲でトレーニングを行いましょう。

裏声の音域を広げる練習

裏声の音域を広げる練習は結局やることは同じです。

裏声の強化をすることが、裏声の音域を広げることにつながります。

そうして、安定した裏声を出すトレーニングを行っていく必要があります。

YU
最終的にミックスボイスの礎にもなるので大変重要です。

ハミングを繰り返す

裏声を強化するためには、ハミングが有効です。

ハミングを行うと、鼻腔に響かせる意識と喉を開く感覚が身に付きます。

ハミングの方法は簡単で、口を閉じた状態で鼻に声を集めるだけです。

このとき、鼻に触れると振動していると正しいやり方となっています。

この感覚が身に付いたら、その発生のまま口を開いて発声してみましょう。

口を開いて発声しても、鼻が振動できれいれば問題ありません。

このハミングを通して、少しずつ音程を上げて音域を広げていきましょう。

ドッグブレス

正しい呼吸法を得るためには、ドッグブレスが有効です。

ドッグブレスを行うことで、適切な呼吸法で歌う際に重要な横隔膜を鍛えることができます。

やり方は犬のように、口を開けて「ハッハッハッ」と息を切って発声してください。

このとき、みぞおちあたりを手で押さえて、動いている感覚があれば問題ありません。

「ハ」でなくても「ホ」の発声でもドッグブレスを行うとなおよいでしょう。

こうして、横隔膜を鍛えることで安定した裏声を出す練習につながります。

ネイヤイトレーニング

ネイヤイトレーニングとは、「ネイ」と「ヤイ」の発音を利用して行うトレーニングのことです。

「ネイ」は舌根をほぐす働きがあり、舌の脱力を見込めます。

また、上方向に響きを集める練習になるので、裏声だけでなくミックスボイスの練習にもつながります。

舌の脱力や顎の脱力に適した「ネイ」の発声は、高音特有の尖った発声にならないようにする働きもあります。

そのため、鼻腔共鳴や軟口蓋に意識して響きを意識した発声を手に入れるようになります。

したがって、声帯の鳴りを意識して芯のある裏声を身につけることができます。

「ヤイ」も「ネイ」と同様に舌の脱力を見込めます。

「ヤイ」は「あ」の母音を含むことで、口を大きく広げることになるので顎をしっかりほぐしてくれます。

また、喉も開くことで、声帯の閉鎖にアプローチできます。

また、ピアノの音階に沿って発声練習を行うのが一般的です。

このネイヤイトレーニングによって、脱力と上方向の響きを鍛えて、力強い裏声を手に入れましょう。

もちろん地声でも裏声でもこのトレーニングを行うことができます。

YU
「ネイ」と「ヤイ」を組み合わせて練習するのも良いでしょう。

裏声が得意なアーティストの真似をする

プロのアーティストの裏声を思い切って真似してみるのも、裏声の強化に有効です。

特に裏声が得意なアーティストであれば、間違った発声は当然行っておらず、鍛えられた裏声を披露してくれています。

せっかく良い見本を聴けるわけですから、真似して良い発声を学ぶのもよいでしょう。

YU
発声を真似するだけで、歌の癖まで真似する必要はありません。

音域を広げるまでにかかる期間

それでは、音域を広げるにはどれだけの時間を要するでしょうか。

音域そのものを広げるには、歌唱技術を習得するよりも難しいと思います。

一朝一夕ではまず不可能

音域を広げるには、なにかを習得して達成するものではありません。

そのため、成果がはっきりとあらわれるものではないので、どうしても継続した練習を行い、地道に積み重ねるほかありません。

さらに、音域を広げるためにいくつもの練習や技術を身につける必要があります。

そのため、それらを順番にこなしていくと思えばすぐに達成できないことは想像がつくかと思います。

残念ながら一朝一夕で叶うわけではありません。

焦る気持ちは必ず出てくると思いますが、ぐっとこらえて1つずつ成長していきましょう。

自身の目標とする音域にもよる

あなたがどこまでの音域を求めるかによっても、費やす練習時間や日程は変わりません。

まだまだ伸びしろがある段階で1音伸ばすだけなら、適切な発声方法を学んでいくだけでもすぐに出せるかもしれません。しかし、ボイストレーニングを積んだうえでそれでも1音も2音も広げていこうとすると簡単にはできません。

突き詰めていけばいくほど、多くの時間を費やし努力が必要です。

ミックスボイスを習得するまでの時間も考慮する

音域の限界を大きく広げようと思えば、ミックスボイスの習得が必須です。

高音であれば、どうしても地声の限界は存在します。

際限なく高いキーを求めていくのであれば、間違いなくミックスボイスをマスターしないといけないでしょう。

しかし、ミックスボイスの習得はたやすくありません。

コツさえつかめば後は強化していくだけですが、そもそも発声がうまく呑み込めず時間を要することがあります。

ある程度習得したといえるまでには、最低1年は必要ではないかと思っています。

もちろん呑み込みが速い方やある程度の実力が備わっている場合など個人差があるので一概には言えません。

とはいえ、年単位で努力しなければならないという覚悟は持っておく必要があります。

まとめ

音域を広げるためには練習が必要です。

高音は練習すればするだけ広がっていきますが、低音はどうしても個人差で限界があります。

とはいえ、ボイストレーニングを行うことで限界まで引き上げることはできます。

また、音域を広げるには相当の努力が必要です。

目標にもよりますが、何か月、何年単位の努力が必要なことも多く、相応の覚悟を持って練習を行ってください。