歌唱力を上げるための呼吸法3つ|腹式呼吸が鉄則は間違いなのか?

歌が上手くなるためには、声を出す以前に適切な息の使い方を知らなければなりません

適切な呼吸法を用いて息をコントロールすることが、音程・声量・リズムの向上など歌の上達へつながっていきます。

今回は、腹式呼吸やその他の呼吸法について紹介し、どのように使い分けたらいいのかを解説します。

YU
腹式呼吸が絶対ではありません。各呼吸の特徴を理解することで、表現力の幅が広がります。

腹式呼吸が鉄則は間違い?

歌の基本は腹式呼吸。多くの方がそんな話を聞いたことがあると思います。

インターネットで歌が上手くなりたい!と思って検索すると、ほとんどのサイトで腹式呼吸の話題は絶対に触れられます。

もちろん腹式呼吸は歌を歌ううえでかなり重要で、必須と言ってもいいくらいのものです。

しかし、絶対に胸式呼吸がダメで腹式呼吸でなければならないのかというと、実はそうでもありません。

例えば、呼吸法を使い分けられれば、表現力の幅を広げられるメリットがあります。

 

歌を上手に歌うための3つの呼吸方法とは?

呼吸の方法は大きく分けて腹式呼吸、胸式呼吸、腹圧呼吸の3つがあります。

それぞれの特徴やそれぞれの呼吸の仕方について紹介します。

 

腹式呼吸による発声

腹式呼吸とは

腹式呼吸は、横隔膜を上下に動かすことで、肺に酸素を取り込む呼吸方法です。

呼吸時は肩は動かず、お腹だけへこませたり、膨らませたりさせます。

胸式呼吸よりも多くの空気を取り込むことができるので、リラックスした状態を作り出せます。

 

腹式呼吸のやり方

まず、身体の中にある息をすべて吐き切ります。

その次に、肩が上がらないようお腹を意識して、膨らますように鼻から息を吸います。

息を吸ったら、その状態で数秒止めます。

その後、ゆっくりとお腹だけをへこませるイメージで鼻から息を吐きます。

 

腹式呼吸で歌うとこうなる

リラックスした状態で深い呼吸ができます。

またそのおかげで、息のコントロールがしやすく安定したロングトーンや長いフレーズを歌えます

 

 

胸式呼吸による発声

胸式呼吸とは

胸式呼吸は、肋骨を前後左右に広げるようなイメージで息を吸う呼吸です。

日常的に過ごしているうえでは、胸式で呼吸している方がほとんどです。

わざわざトレーニングをしなくても当たり前のように呼吸している状態だと思ってください。

 

胸式呼吸のやり方

お腹の上のほうを意識して、息を吸いましょう。

もしくは、運動してすぐ息を切らしているように呼吸してください。

肩や胸の上が一緒に上下している様子があれば、それが胸式呼吸です。

 

胸式呼吸で歌うとこうなる

腹式呼吸に比べて使う筋肉の範囲や息の量が少ないため、ブレスのコントロールが難しいです。

そのため少し苦しい様子になるので、共鳴が弱く繊細な感じになります。

 

腹圧呼吸による発声

腹圧呼吸とは

腹圧呼吸は、腹式呼吸と同様お腹を膨らませて息を吸いますが、吐くときもお腹を膨らませたまま行う呼吸法です。

吐くときも膨らませるために、お腹に圧を加え続けるイメージです。

 

腹圧呼吸のやり方

口を開けて、歯は閉じておきます。

歯の隙間から息を少しずつ漏らしていきます。

この時、一定の量を吐き出すことと、お腹に力を入れ続けることを意識してください。

そして腹式呼吸で息を吸って以上の動作を繰り返します。

 

腹圧呼吸で歌うとこうなる

発声するときに、力みが生まれなくなります。

また、息継ぎ時に息を吐き切っていることがありません。

腹圧呼吸では息の節約をしていると思ってください。

腹圧呼吸に慣れるまではかなり疲れますが、次第に楽に歌えるようになります。

 

結局どの呼吸法で歌うのが正しいのか?

では、結局どの呼吸法を使えればいいの?と感じる方が多いと思います。

結論から言えば、なんともいえません。

なんでだよ!と思うでしょうが、絶対的な正解はありません。

強いて言えば、あなたの歌い方や曲の雰囲気などさまざまなケースによって必要な呼吸法も変わってきます。

 

不正解はないが、完全な正解もない|トレーナーによっても見解がわかれる

実は「歌うときは腹式呼吸が絶対だ」、「腹圧呼吸で歌うべきだ」という意見や議論が飛び交っていて、プロのボイストレーナーですらそれぞれ見解は違います

歌を上手くなるために必要な技術・表現力を習得し鍛えるためには、本当は全部マスターしたほうが良いです。

ただ、現状は間違いも正解もはっきりしていないので、自分がいいと思った呼吸法ばかり練習しても良いと思います。

まずは自分自身に合った呼吸法を探していきましょう。

ただし、腹式呼吸もできず腹圧呼吸もできないというのだけは避けましょう

正確な表現ではありませんが、お腹から歌うというイメージは非常に大切です。

胸式呼吸しかできないと、ブレスのコントロールや声の響き方など表現力が身に付きにくいです。

 

 

歌い方や表現方法で使い分ける

腹式呼吸を使うのはこんな時

息のコントロールが自在に操れるので、表現力豊かに歌いたい場合に良いです。

繊細な曲から迫力ある曲までさまざまなパターンに対応しやすいので、万能な呼吸法です。

 

胸式呼吸を使うのはこんな時

胸式呼吸で歌うと、声の響きが少なく感じて、苦しそうに聞こえてしまいます。

しかし、切ない曲調やフレーズを歌うと繊細な雰囲気を出すことができます

 

腹圧呼吸を使うのはこんな時

しっかりした歌声になるので、余裕を持った安定感のある歌い方をしたい時におすすめです。

 

 

息継ぎのタイミング

呼吸法以外にも、歌うとき息継ぎについても気を付けなければなりません。

せっかく適切な呼吸法を手に入れても、息が持たなければ安定した声は生まれません。

 

口で息継ぎする

口で息継ぎをすると、一度に多くの空気を吸うことができます

瞬間で空気を溜めると、次に力強い声を出せます。

このとき胸式呼吸に切り替わりがちなので、意識しましょう。

 

鼻で息継ぎする

瞬時に息継ぎが可能なので、細かいフレーズ間に行うことが多いです。

静かに息継ぎができるので、息継ぎの音が目立つことがないです。

YU
安定した呼吸法や歌声を身につけるためには、基本的に鼻で息継ぎをする癖をつけたほうがいいと思います。

 

歌う際の呼吸法でよくある疑問

サビで息が続かない場合はどうしたらいい?

サビは高音が続くことも多く、息が持たないと悩む方がいると思います。

そんな時は息継ぎの位置を見直してみましょう。

変な箇所で息継ぎをしてしまっていて、後半に息が持たないということがあります。

 

呼吸の練習はする必要がある?優先度はどの程度?

ここまで呼吸法の重要さについて解説しましたが、優先度は一番ではないです。

歌うために一番必要なのは、喉です。

息ではありません。

紹介した通り、3つどの呼吸法でも歌うことは可能です。

ただ、息のコントロールを得ることで上達に向けてたくさんのことが得られるので、長い目で見て毎日練習すべきかと思います。

 

練習で肺活量は増える?

もちろん増えます。

呼吸を毎日意識することで上手に息をコントロールできるようになり、鍛えることができます。

 

歌が上手くなるための呼吸法まとめ

歌う際の呼吸法は3つあります。

必ずしも一つの呼吸法が正解というわけではありませんし、全部マスターしなければいけないわけでもありません。

しかし、息の使い方を習得すると音程・声量・リズム・表現力などさまざまな歌唱力の向上に結び付いていきます。

基礎を知ることは絶対に損にならないので、呼吸法についてよく理解し、習得に励むことをおすすめします。